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志に生きるエグゼクティブコーチのBLOG(本田賢広オフィシャルブログ)

【メンバー(部下)が行動を起こさなかった時、学びにつなげるステップ】

2024.11.07
BLOGリーダーシップ

原因を訊いているのに、謝られるのはなぜか

メンバーが約束した行動(期日までに報告書を出すなど)をしなかったとき、「なぜ約束を守らないんだ」と訊くと、「申し訳ありません」と謝られることが多いのではないでしょうか。
上司は原因を訊いたつもりでも、メンバーは「責められた」と感じるからです。

人は責められても仕方ない状況で「なぜ」と言われると、好ましくない行動と人格が結びついたように感じ、いわば「なぜ君は、キチンと約束を守れない人なんだ」と聞こえます。責められたように感じ、「申し訳ありません」としか言えないのです。

したがってそのようなシチュエーションでは、「なぜ(Why)」ではなく「何(What)」を使うことをお勧めします。
例えば「何があったの?」と訊かれるとどう聞こえるでしょうか。「君自身はOKなんだけど、不都合な何かがあったのかい?」と聞こえませんか?つまり人格は承認された上で、きちんと原因に焦点が当たるのです。
すると、「いえ、何かがあったのではなく私が失念していました」あるいは「約束通り進めようとしていたのですが、〜のようなハプニングでこんな状態になりました」など、原因についての話が返ってきます。

やるのは簡単ではないが、上司としてどちらを選択するか

上記理屈は簡単ですが、やるのは容易ではないかもしれません。なぜなら、私たちは約束を破られ不快な気持ちになっているからです。「なぜ、キチンと守ってくれないんだ」と結局、相手を心では責めているので、メンバーには言外にそのまま伝わってしまうのです。

では、どうすれば良いのでしょうか。
私たちは、選択することができます。怒りに任せて約束を破ったことの重大さを思い知らせるか、「人間ミスはある。原因を明確にし、再発防止に繋げよう」とするか。
また、目の前のメンバーにばかり焦点を当てるか、上司自身のありたい姿や中長期の望む状態にも焦点を当てるか。
「怒っている時はコントロールできない自分」を選択するか、そんな時も「感情的にならない懐の大きなリーダーたる自分」を選択するか。選択できるのです。

メンバー自身で原因に気づき、再発防止につながるステップ

もし、各々の後者を選択できた場合、信頼関係を維持した中、メンバー自身で原因に向き合い、再発防止につなげることができます。そのおすすめのステップを、以下にご紹介します。

  1.  感情的にならずに、事実を確認する
  2. 正直に言ってくれたことを認める
    ※これはメンバーが自律型人材に育つために非常に重要です。褒めなくて良いので「正直に言ったことは正しい」と冷静に認めます。そうすることで、今後もよくない報告も責任持ってできるようになります。
  3. 「“何”があったの?」と、原因を訊く。
  4. どんな気づきや学びがあったかを訊き、再発防止策を引き出す。
  5. その学びや策を認め、必要があれば追加で助言する。
  6. 「次は期待しているよ」とIメッセージで伝え、勇気付ける。後日メンバーが改善できた時はすかさず認める。

上記ステップは、決して甘やかしたりオブラートに包んだりするものではなく、メンバーを存在承認しながら建設的に話し合い、モチベートするものです。またより効果を発揮するには、日頃から信頼関係を深めておくことがとても大切です。
私たちリーダー自身の成長のためにも、チャレンジしてみませんか。

【関連情報】
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●ブログ:責める「原因論」から、活かす「目的論」的アプローチへ

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