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1on1で、未来が描けない部下にはどう関われば、キャリアプランが見えてくるか?−ビジョン型・価値観型それぞれへの支援法

2025.08.21
1on1ミーティング・コーチングBLOGリーダーシップ

メンバー(部下)に1on1ミーティングで「〇〇さんは将来、どうなりたいの?」
とキャリアプランについて訊いても、メンバーからイキイキした答えは返ってこない・・・
といった経験はないでしょうか。

それは、本人にやる気がないわけではなく、
「質問の仕方が、その人に合っていない」可能性があります。

実は、「人のやる気が出やすい傾向」には2種類のタイプがあり、それぞれに効果的なアプローチは異なるのです。

2つのタイプ:ビジョン型と価値観型とは?

2種類のタイプはそれぞれ【ビジョン型】と【価値観型】といいます。

【ビジョン型】
未来に実現したい「ありたい姿」を明確にして、
「あの姿に辿り着きたい!」とモチベーションが上がるタイプ

例:
「5年後には、私はこんな部長になっていたい。逆算すると2年後にはこんな課長になって、そのためには1年後に課内でこれくらいの実績を出し、中心的な存在になっている必要がある。

だから今月の目標はこの数字で、今日やるべきことはこれとこれだ。
…よし、今日も目標に近づいた!」
(未来の達成に向けて今日を逆算して生きることで、モチベーションが上がっている)


【価値観型】
「自分にとって大事なこと(価値観)」を明確にして、それを満たす1日1日を重ねることでやりがいを感じるタイプ

例:
「常にお客様の立場に立って対応し、数字はお客様の笑顔の証。そんな仕事の仕方をしたい」

「プロとして、どこまでも完璧を目指す。神は細部に宿るという仕事をしたい」

「誰か一人だけ勝つのではなく、チーム皆んなで勝つマネジメントをしたい」
(自分らしくこだわることで日々充実感を感じ、その積み重ねで徐々に高い山を登っていくことにモチベーションを感じている)

どちらが良いということはなく、いずれの型でも成功することは可能です。

やる気が出やすいスイッチの違いです。
皆さんは、どちらの方がワクワクしますか?

(実際には、「ビジョン型か価値観型のどちらか一方のみ」というより、どんな人も両方の要素を持っています。
ビジョン型の要素が多い人をビジョン型、他方の人を価値観型と呼んでいます)

したがって、メンバーにキャリアについて質問する際も、相手がどちらのタイプなのかによって、アプローチが変わってくるのです。

ビジョン型・価値観型それぞれへのキャリア支援アプローチ

それぞれのタイプには、例えば次のような質問が効果的です。

ビジョン型への問いかけ
「〇〇さんは将来、どうなりたいの?」


「〜年後、理想的にはどんな〇〇さんになっていたい?」

このように、未来への質問をするとストレートに響きやすく、パワフルに考えてくれることでしょう。

未来のビジョンは、例えば「●年後には◯人くらいのチームのリーダーになっていて、
これくらいの規模の仕事をしています」など、
できるだけ具体的になるように支援すると、ワクワクが増していきます。

ビジョンが明確になった後は、そこから逆算して、
中期・短期と行動計画を一緒に整理していくことができます。


価値観型への問いかけ
「これまでの人生で最も楽しくて、モチベーションが上がったのはいつ?何をしていたとき?」


「なぜその時、そんなにモチベーションが上がったの?」


「ということは、あなたにとって欠かせないこと、大事なこと(価値観)は何?」


「その価値観を満たした、どんな未来が実現できたら嬉しい?」

価値観型の人にはいきなり未来の質問をするのではなく、“過去”に感情が大きく動いたエピソードを
深掘りしていくことで、その人固有のモチベーション・スイッチ=価値観の片鱗が見えてきます。

価値観が明確になった後で初めて、その価値観が満たされた幸せな、やり甲斐のある“未来”について
考えていくことができます。


もし、「〇〇さんは将来、どうなりたいの?」ときいても、なかなか未来を描けないメンバーがいたら、価値観型へのアプローチをぜひ試してみてください。

実践ワーク:「価値観シート」を使って明確にするワーク

価値観型の人が自身にとって大切な価値観に気づくには、前述のように過去について質問するのが王道ですが、それより簡易的に(その分、少し浅くはなりますが)価値観に気づく方法もあります。

下の表で、あなたが魅力を感じる価値観の順に、
1位から12位まで優先順位をつけてみてください。
同率1位などがあっても大丈夫です。


このワークをもしメンバーにもやってもらったら、あなたと同じ結果になるでしょうか。
かなり違う結果になりそうではありませんか?

まず分かることは、同じ仕事をしていても、どの価値観でも得られるということです。

つまり同じ仕事を、異なる目的(価値観)でやって構わないということになります
(ある人は「達成」のために、別の人は「貢献」のために仕事する)。


もしあなたが選んだ優先順位トップ3が、毎日の仕事で得られたとしたらいかがでしょうか。
「いや〜、なんていい仕事なんだ!」と自然にモチベーションが上がりませんか?

また、そのトップ3が将来得られると、明確にイメージできたとしたらいかがでしょうか。
「なんて魅力的なキャリアプラン!」とワクワクするはずです。

逆に言えば、キャリアプランを考える際、「どんな部署でどんな仕事を」と具体的に考える前に、
「どんな自分になりたいか?(ビジョン型)」「どんな価値観を満たせる毎日にやり甲斐や楽しみを感じるか?(価値観型)」

と、”目的”を少しでも明確にした上で、「それを満たせる職場や職務は何だろう?」と考えると、しっくりくるプランが見えやすいのではないでしょうか。

職場や職務の選択は”手段”であって、
”目的”ではないからです。

それぞれのビジョンや価値観を少しでも明確にし、1on1ミーティングなどでお互いに共有してみることをお勧めします。

そしてそれが満たされることを互いに応援し、サポートし合っていく。
すると、毎日が楽しくなりませんか?

一日の大半を仕事に費やす以上、それは幸せな人生に直結するのではないでしょうか。

まとめ:1on1でキャリアプランを描くポイント

まずは、メンバーがビジョン型か価値観型か、明らかにする必要があります。

もし、「将来、どうなりたいの?」と訊いても
なかなか未来が描けないメンバーであれば、
価値観型への問いかけをしてみてください。


職場や職務の選択は”手段”です。
まずは、「どんな自分になりたいか」
「どんな価値観を大切にしていきたいか」
という目的から、メンバーのキャリアプラン
を支援していかれることをお勧めします。

よくある質問(FAQ)

Q1. 部下がキャリアプランをイキイキ話してくれない場合は?

A1.
価値観型の可能性はないでしょうか。その場合、将来像をいきなりきくのではなく、過去のやりがいを感じた瞬間などから質問してみてください。
また、それ以前の問題として、メンバーにとって心理的安全性が不十分な場合は、安全性の醸成が必要です。

Q2. ビジョン型と価値観型を見分けるには?

A2.
将来像の話をイキイキすることが多い人の場合、ビジョン型の可能性があります。
日々の充実感や大切にしたいこだわりなどについて熱く語ることが多い人の場合、価値観型の可能性があります。
また、本文の「2つのタイプ:ビジョン型と価値観型とは?」の説明をしていただき、「〇〇さんはどっちだと思う?」と本人にきくのもお勧めです。

Q3. 価値観ワークはオンライン1on1でも使えますか?

A3.
もちろん可能です。上位の価値観について対話してみると、キャリアプランニングの助けになるのはもちろんですが、「価値観シートを一緒に埋めて、互いの価値観について話し合ってみたら、人となりがよく分かって信頼関係が深まった」という喜びの声もよく聞いています。


【関連情報】
●書籍:「実践!1on1ミーティング」および「1on1ミーティングの極意」読者の感想

●書籍:「実践!1on1ミーティング」

●書籍:「1on1ミーティングの極意」

●ブログ:「どうすればいいと思う?」と訊くと、メンバー(部下)がフリーズするわけ

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