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志に生きるエグゼクティブコーチのBLOG(本田賢広オフィシャルブログ)

未来がすぐには描けないメンバー(部下)への関わり方 −ビジョン型と価値観型の違い

2024.09.09
1on1ミーティング・コーチングBLOGリーダーシップ

ビジョン型と価値観型の違い

メンバー(部下)に「〇〇さんは将来、どうなりたいの?」とキャリアプランについて訊いても、なかなか答えが出てこないといった経験はないでしょうか。そんなとき「彼は将来のことなど何も考えていないのだな」とジャッジする前に、実は知っておくと良い考え方があります。
「人のやる気が出やすい傾向は2種類ある」というものです。

一つは「ビジョン型」といい、未来に実現したい「ありたい姿」を明確にして、「あの姿に辿り着きたい!」とモチベーションが上がる人です。

例えば、5年後には私は(明確に)こんな部長になっていたい。逆算すると2年後にはこんな課長になって、そのためには1年後に課内でこれくらいの実績を出し、中心的な存在になっている必要がある。だから今月の目標はこの数字で、今日やるべきことはこれとこれだ。…よし、今日も目標に近づいた!このようにして未来の達成に向けて今日を生きると、モチベーションが上がる人です。

もう一つは「価値観型」といい、「自分にとって大事なことで、一日一日を満たしたい」と思うことで、モチベーションの上がる人です。
例えば、「常にお客様の立場に立って対応し、数字はお客様の笑顔の証。そんな仕事の仕方をしたい」「プロとして、どこまでも完璧を目指す。神は細部に宿るという仕事をしたい」「誰か一人だけ勝つのではなく、チーム皆んなで勝つマネジメントをしたい」など、自分らしくこだわる中で日々充実感を感じ、それをやり続けることで徐々に高い山を登っていくと、モチベーションが上がる人です。

どちらが良いということはなく、いずれの型でも成功することは可能です。どちらがやる気が出やすいか、いわば好みの問題なのです。皆さんはどちらの方が、モチベーション・スイッチが入りますか?

それぞれの型に響く質問の仕方

では、キャリアプランについて訊くとき、それぞれのタイプにはどのような質問が効果的でしょうか。ビジョン型の人には、「〇〇さんは将来、どうなりたいの?」と未来への質問をするとストレートに響き、パワフルに考えてくれることでしょう。

一方、価値観型の人に対し同じ未来への質問をしても、うまく答えられないかもしれません。代わりに“過去”などについて質問をすると、モチベーションスイッチたる価値観の片鱗が見えてきます。

「これまでの人生で最も楽しかった、すごくモチベーションが上がったのはいつ?何をしていたとき?」→「そのときはなぜ、そんなにモチベーションが上がったの?」→「ということは、あなたにとって欠かせないこと、大事なこと(価値観)は何?

このように感情が大きく動いた過去のエピソードを深掘りしていくと、価値観が明確になってきます。そして、「その価値観が満たされた、理想の未来はどんな未来?」と訊くと、キャリアプランも見えてきます。

「将来、どうなりたいの?」と訊いてもなかなか未来が描けないメンバーがいたら、価値観型へのアプローチをぜひ試してみてください。応援しています!

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