「重要だが緊急ではないこと」の大切さとインパクト
マネジャーが人材育成を後回しにし続けると何が起きる?
現代では、多くのマネジャーはプレイングマネジャーです。「人材育成が大切なことはわかっているが、目前の自身の目標や組織目標の帳尻を合わせることに忙しく、育成などやっている時間はない」という声は少なくありません。
ところで、人材育成を後回しにし続けると、結果どんなことが起き得るでしょうか。
マネジャーはいつまでも部下に仕事を任せられず、マイクロマネジメントや自分がタスクを引き受けるサイクルから抜けられないまま。また周囲からは「育成できない人」とレッテルを貼られるかもしれません。
部下自身にとっては、成長できないことで自信がつかず周囲の信頼も得られない。やり甲斐を失い、最悪は会社を辞めたくなるかもしれません。
会社全体にとっても、人材が育たなければお客様に質の高いサービスは提供できない。競合に遅れをとり、おお客様や取引先、社会からの信頼を失い、いずれ衰退していくことになるでしょう。やはり、人材育成を後回しにし続けることは決してできません。
私たちはどのような順番で仕事をしているでしょうか
では、忙しい中で、どう育成の時間を作っていけば良いのでしょうか。
タイムマネジメントにおいて、以下のような考え方があります。「仕事には重要な仕事と重要ではない仕事がある。また緊急な仕事と緊急ではない(期日がない)仕事がある。したがって、仕事は4種類。すなわち重要かつ緊急仕事(第1象限)と重要だが緊急ではない仕事(第2象限)、そして重要ではないが緊急な仕事(第3象限)とどちらでもない仕事(第4象限)の4種類である」というものです。ちなみに重要か重要ではないかは、本来求める成果に直結する(=重要)か否(=重要ではない)かで判断します。したがって例えば営業職であれば、「今日、見込客に会う」のは第1象限、「マーケティングの勉強をする」のは第2象限、「今日中に日報を書く」のは第3象限、「馴染みのお客様と目的なく雑談する」のは第4象限、という具合です。
普段を振り返ってみると、我々はどのような順番で仕事しているでしょうか。恐らく多くの方が、第1象限→第3象限の順で行い、第2象限は後回しになりがちではないでしょうか。なぜなら我々は忙しく、かつ人間は本能的に緊急性に引っ張られがちだからです。
人材育成の時間は、予めブロックしておく
もうお気づきの方もいらっしゃるかもしれません。人材育成はどの象限に当てはまるか。極めて重要な仕事ですが、人は一朝一夕に育つものでなく一般に期限もないので第2象限です。つまり、本能的に後回しにしがちであり、後回しにし続けると何が起きるかは前述した通りです。
したがって、本能に任せず意識的に育成の時間を先んじて設定し、第3象限などの仕事に時間を奪われすぎないよう予めブロックしておくことが成功のポイントになります(無論、クレームやトラブル対応など場合はその限りではありません)。
ぜひ本質的かつ長期的に何が本当に重要なことかを判断し、大切なことを優先して実行しながら、充実した悔いのない毎日をともに送ってまいりましょう。
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