その“正しさ”、目的に近づいてますか? ─大谷翔平からの学び
本田賢広です。いつもご覧いただき、ありがとうございます。
今回は「その“正しさ”、目的に近づいてますか? ─大谷翔平からの学び」と題し、
お届けします。
時速160キロのデッドボールを当てられたら?
6月19日。
大谷翔平選手が、メジャーリーグの試合で時速160キロのデッドボールを背中に受けました。
その直前、ドジャース側が相手の主力選手にデッドボールを当てていたことから、
「これは報復だ!」と多くの人が感じたはずです。
味方ベンチからは選手が飛び出しそうになり、一触即発の空気に。
…しかし、大谷選手は何度も手を上げて、味方を制しました。
そしてその直後、相手選手と談笑するような素振りさえ見せたのです。
壮絶な痛み、沸き上がる怒り、またプレーできなくなる絶望的不安…
もし感情を爆発させたとしても、誰も彼を責められないはずなのに、です。

なぜ、味方を制したのか
おそらく彼は、「真の目的」を見失わなかったのではないでしょうか。
もし乱闘になればどうなっていたか?
味方に怪我人や出場停止者が出て、チームの士気や戦力が下がったかもしれない。
報復合戦が、永遠に繰り返されたかもしれない。
野蛮で、スポーツとは言えない状況に辟易して、メジャーリーグそのものからファンが離れていったかもしれない。
…本当の目的は、勝ち続け、ポストシーズン、ワールドシリーズ優勝を目指すこと。
より多くのファンに応援し続けてもらうこと。
しかし激昂すると、それら全てを失ってしまいます。
だから大谷選手は感情を抑え、チームを守り、笑顔さえ見せたのではないでしょうか。
気高いリーダーシップ。
しかし言うは易し、なかなかできないと思います。
私たちの職場でも起きている
ところでこのエピソードからの学びは、私たちの職場で起きていることにそっくり応用できます。
たとえば、メンバーが主体的に意見を言わない。
そんな時、
「なんで何も言わないの?それじゃあ、会議に出る意味なくない?」
「チーム全員で結果出してかなきゃならないんだから、もっと当事者意識持ってよ!」
イライラをそのまま表に出して、正論をぶつけたら…?
萎縮してさらに発言できなくなったり、白けて余計に意欲を下げる人も出てくるかもしれません。
「主体的に意見を出してもらう」という目的に対して、取っている行動がまったく逆効果なのです。
メンバーが意見を出しやすい会議とは、どんな雰囲気のものだろう?
リーダーがどんな表情をしていれば、みんな言いたくなるだろう?
どんな受け止めややり取りがあると、場が活性化するだろうか?
このように熟考すると、最適な答えが見つかるかもしれません。
目的と手段がチグハグにならないよう、ともによく考え行動したいですね。
大谷選手のように。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
心から応援しています!
本田 賢広