フィードバックは逆効果!?信頼を深める人・関係を壊す人の決定的な違い
本田賢広です。
いつもご覧いただき、ありがとうございます。
今回は、
【フィードバックは逆効果!?信頼を深める人・関係を壊す人の決定的な違い】
と題し、お届けします。
部下へのフィードバックで信頼関係を壊さない伝え方
「部下のためを思って伝えたのに、なぜか不機嫌になってしまった」
「良かれと思って指摘したのに、かえって距離ができてしまった」
そんな経験はないでしょうか。
例えば、誰よりも努力し、
素晴らしい成果を上げている部下がいたとします。
ただ、最近は少し謙虚さがなくなったように見え、
周囲のメンバーからも不満の声が上がっている。本人は、そのことに気づいていないようです。
上司としては、何とか伝えたい。
でも、下手に伝えてモチベーションが下がったり、
関係が悪くなったりするのも困る。
そんな時、どう伝えればよいのでしょうか。
実は、同じことを伝えるにしても、
「相手を評価する」のか、「鏡として伝える」のか。
この違いによって、
相手の受け止め方は大きく変わります。
フィードバックは、相手を評価することではない
そもそも、フィードバックとは何でしょうか。
一般的には、相手の言動を評価したり、
改善点を指摘したりする意味で使われることが多いと思います。
しかし、コーチングにおけるフィードバックは、
少しニュアンスが異なります。
例えば、鏡を思い浮かべてみてください。
私たちは、自分の顔を直接見ることはできません。
でも、鏡を見ることで、
自分では気づかなかったことに気づけます。
フィードバックも、これと同じです。
本人には見えていないことを、
別の角度から見えている人が伝える。
「私には、こう見えますよ」
「私は、こう感じましたよ」
それによって相手は、
「そうか。人からは、そんなふうに見えるのか」
「自分では気づかなかったけれど、
相手にそんな思いをさせていたのか」
と、自分自身を見つめ直すことができます。
大切なのは、
相手を変えようとするのではなく、相手が自分自身に気づくための鏡になること。
そこに、コーチングにおけるフィードバックの本質があります。
「あなたは」ではなく、「私には」
先ほどの、成果は素晴らしいけれど、
少し謙虚さがなくなったように見える部下。
例えば、こんなふうに伝えたら、
相手はどう感じるでしょうか。
「〇〇さん、結果を出してくれているのはいいんだけど、
前と比べて謙虚さが減ったよね」
本人としては、
「えっ? 誰よりも頑張っているのに、
そんなふうに言われるんですか?」
と、反発したくなるかもしれません。
あるいは、深く傷ついてしまうかもしれません。
なぜでしょうか。
それは、「あなたは謙虚さが減った」と、
「あなたは」を主語にして相手を評価し、決めつけているからです。
では、こんな伝え方はいかがでしょうか。
「〇〇さん、感じたことを伝えてもいい?」
「結果を出してくれて、本当にありがたいと思っているよ。
ただ、私には、前と比べて謙虚さが減ったように見えるんだ」
「あなた自身は、どう思う?」
いかがでしょうか。
「えっ、そう見えるんですか?」
「そんなつもりはなかったんですけど……」
そんな反応が返ってくるかもしれません。
大切なのは、
相手を「謙虚さがなくなった人」と決めつけず、
「私には、そう見える」と、「私は」を主語にして
自分の感じたことを伝えていること。
自分の見方が、必ずしも正しいとは限りません。
相手には、相手なりの事情や思いがあるかもしれません。
だからこそ、一方的に評価するのではなく、
お互いの見方を持ち寄り、対話するのです。
相手の人格を尊重したフィードバック、3つのステップ
私がコーチングや研修でお伝えしているのは、
次の3つのステップです。
① 許可を取る
「私の感じたことを伝えてもいいですか?」
まず、相手に許可を取ります。
こちらが感じたことは、あくまで自分の主観であり、
必ずしも正しいとは限らないからです。
② Iメッセージで伝える
「私には、〇〇のように見えました」
「私には、〇〇のように聞こえました」
「私は、〇〇と感じました」
「あなたは〇〇だ」と決めつけるのではなく、
自分の目や耳、心が感じたことを率直に伝えます。
③ 確認を取る
「あなた自身は、どう思いますか?」
ここが、とても大切です。
フィードバックは、
こちらの感じたことを伝えて終わりではありません。
相手自身がどう感じ、どう考えるか。
その答えは、相手に委ねます。
この3つのステップは、
決して、言いにくいことを遠回しに伝えるためのものではありません。
相手の人格を尊重しながら、伝えるべきことは、しっかり伝える。
そして、そこから対話を始めるためのものです。
フィードバックは、相手を信じているからこそ
もちろん、信頼関係が十分に築けていなければ、
どれほど丁寧な言葉を選んでも、
相手には届きにくいことがあります。
だからこそ、日頃から相手を尊重し、
信頼関係を築いておくことが大切です。
そのうえで、相手にとって耳の痛いことを
伝えなければならない場面もあります。
「嫌われたくない」
「せっかく頑張っているのに、傷つけたくない」
私たちも人間ですから、
そんな気持ちになることもありますよね。
でも、本人が気づいていないことを、
誰も伝えなかったらどうなるでしょうか。
本人は、知らないうちに周囲との信頼関係を失い、
成長の機会を逃してしまうかもしれません。
だからこそ、勇気を持って伝える。
ただし、相手を変えようとするのではなく、
相手が自分自身と向き合えるように。
フィードバックとは、相手を裁くことではなく、
相手の可能性を信じて、鏡になること。
私自身も、日々のコーチングやコミュニケーションの中で、
大切にしていきたいと思っています。
もし今日、誰かに何かを伝えたくなったら、
その前に、少しだけ考えてみませんか。
「今、私は相手を評価しようとしているだろうか。
それとも、鏡になろうとしているだろうか」
その小さな問いが、
お互いの理解と信頼を深めるきっかけになるかもしれません。
最後まで読んでくださり、大変ありがとうございます。
心から応援しています!
本田 賢広
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◎日経HCラボ インタビュー記事
https://ngc.nikkei.com/hclab/article/DGXZQOLM115IN0R10C26A9000000
◎本田賢広ストーリー
https://sevenfoldbliss.com/story/
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(ほんだ たかひろ)
株式会社セブンフォールド・ブリス 代表取締役
多摩大学大学院MBA客員教授
国際コーチング連盟(ICF)マスター認定コーチ(MCC)
エグゼクティブコーチとして、年間約400セッション、累計3,000時間以上実施。主に大企業(IT企業、メーカー、製薬会社ほか多数)の経営幹部に対し、業績向上、リーダーシップ強化、人材育成等の面で貢献。また、1on1ミーティング研修の専門家として、延べ30,000名以上のリーダー・管理職の育成に携わる。日経エグゼクティブコーチ資格取得プログラム講師として登壇するほか、損害保険グループ、住宅メーカー等、数多くの企業で1on1ミーティング研修・社内コーチ養成プログラムを主導。延べ登壇回数は2,500 回を超える(リピート率95%)。心理的安全性と内発的動機づけを軸に、「メンバーが安心して本音を話し、自ら動きたくなる」対話のあり方を伝えている。著書に『実践!1on1ミーティング』(日本経済新聞出版)、『1on1ミーティングの極意』(ワン・パブリッシング)など。
