会話と対話の違いとは
会話と対話の違いとは何か?
どちらも「2人以上で話すこと」には
変わりありませんが、目的やアプローチ、
そして得られる結果はまったく異なります。
会話とは、特に目的を定めず、
情報交換や場を和ませることを目的とした
コミュニケーションです。
天気や最近のニュースなど、
軽い話題を取り上げることが多く、
浅く広く言葉を交わすのが特徴です。
一方、対話は、あるテーマに対して意図的に、
かつ深く話し合うことを指します。
日常ではあまり意識しない自分の感情や
価値観と向き合い、それを言葉にすることで、
相手との理解を深めていきます。
ただし、自分の考えを押し付けるのではなく、
お互いの立場・感情・意見の違いに耳を傾けます。
そこに対話の本質があります。
なぜ対話が必要なのか
近年、リモートワークやフリーアドレス、
チャット中心のやり取りの増加、
そして飲み会の減少などにより、
コミュニケーションの量・質の両面で
低下が見られます。
その結果、ジェネレーションギャップや
価値観の違いを埋める機会が失われ、
チーム内での誤解や衝突、ハラスメントの
懸念が高まっています。
心理的安全性が損なわれることで、
業務の停滞やエンゲージメントの低下、
さらにはストレスやメンタル不調にも
つながりかねません。
「このままではいけない」と
感じている方も多いのではないでしょうか。
まずは会話から始めることが大切です。
しかし、それだけでは心の距離や
価値観のズレはなかなか埋まりません。
そこで注目されているのが
「対話(ダイアローグ)」なのです。
対話を実現するには、意図的に対話の「場」を
設定する必要があります。
その代表的な方法の一つが、近年多くの企業で
取り入れられている 1on1ミーティングです。
1on1ミーティングで対話する意味
1on1ミーティングでは、上司とメンバーが
定期的に1対1で対話します。
それにより信頼関係を築き、メンバーの
活躍や成長を支援することが目的です。
相手のこれまでの経験や培ってきた価値観、
立場からくる感情や思いに耳を傾けることで、
相互理解や心理的安全性が深まります。
結果として、メンバーの中に上司への
信頼やリスペクトが生まれ、
対話もより活性化していきます。
また、本音を安心して語れるようになると、
自分の考えや大切にしたい価値観が整理され、
自己理解が深まります。
それにより、「自分は何のために頑張るのか」
「どんな自分になりたいのか」が段々と
明確になり、メンバーは生き生きと
働けるようになるのです。
このような対話が増えると、
チーム全体にもポジティブな空気が流れ、
エンゲージメントの高い職場環境の実現に
近づいていくのではないでしょうか。
対話の際に意識して大切にしたいこと
会話と対話の違いは、
そのまま「きき方」の違いにも表れます。
会話では、「聞く」ことが中心です。
これは聞き手が聞きたいことを、
いわば情報収集する行為です。
一方、対話においては「聴く(傾聴)」ことが
求められます。
これは、相手が話したいことを、最後まで
気持ちよくたくさん話してもらうことです。
「聞く」こととは主体が異なります。
誰しも一度は、
「自分の話を真剣に聴いてくれた相手」
に心を開いた経験があるのではないでしょうか。
「この人だけは私をわかってくれる!」と
感じた瞬間、そこに信頼関係が生まれます。
傾聴は、話し手に「自分を大切にしてもらえた」
と感じさせる、大切なあり方なのです。
したがって、対話の場では
「聴く姿勢」が何より大切です。
相手をリスペクトし、
たとえ自分と異なる価値観でも否定せず、
共感と受容の姿勢で臨みましょう。
対話で、豊かな人生を
対話を通じて、信頼関係の深化、
心理的安全性の構築、価値観の共有、
創造的な議論やリーダーシップの発揮など、
さまざまな好循環が生まれます。
その積み重ねが、
素晴らしい組織文化の醸成にも
つながっていくのだと信じています。
物心両面、そして公私ともに
豊かな人生を実現するために――
もっと「対話」してみませんか?
【関連情報】
●書籍:「実践!1on1ミーティング」
●書籍:「1on1ミーティングの極意」
●ブログ:「傾聴」の真の目的
●弊社ホームページ:「研修・セミナープログラム一覧」ダウンロード