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志に生きるエグゼクティブコーチのBLOG(本田賢広オフィシャルブログ)

【1on1ミーティングと一般的な面談との違い】

2025.12.25(公開日:2024.12.16)
1on1ミーティング・コーチングBLOG

こんにちは、
本田賢広です。

今回は「1on1ミーティングと一般的な面談との違い」について、お届けいたします。

正解のない時代に、なぜ1on1ミーティングが重要なのか

過去の成功パターンを大いに参考にできた時代と異なり、変化が激しく、誰も“正解”を持っていない現代においては、
・ メンバーそれぞれの主体的な想いや、アイデアを引き出し実験的に行動していく
・ 多様な個性やそれらのコラボレーションで、創造性を発揮していく
といったことが非常に大切と言われています。

つまり、双方向の率直で活発、建設的なコミュニケーションがより重要なカギとなります。

しかし現実は逆説的に、
ITツールの浸透やジェネレーション・ギャップ、
それに伴う飲み会や喫煙スペース等の減少、
リモートワークの増加などによって、
コミュニケーションは希薄化、
協働や一体感の醸成は、むしろ難しくなっていると言わざるを得ません。

そんな中、熱い注目を集めているのが
「1on1ミーティング」です。

1on1ミーティングの定義と3つのメインスキル

1on1ミーティングの一般的な定義は、上司とメンバーが1対1で定期的に行う対話です。
この「定期的に」というのが特徴です。

そして、通常は1on1の中でコーチングティーチングフィードバックなどを効果的に組み合わせ、メンバーの成長支援を目的に実施するということになります。

3つのメインスキルの定義

コーチング

相手(メンバー)自身がありたい姿に気づき、その実現に向けて自発的に行動し、成果・成長が得られるようサポートすること

ティーチング

相手(メンバー)にない知識を伝え、指導すること

フィードバック

相手(メンバー)自身に関することで本人が気づいていないことに関して、客観者として感じたこと、見えたこと、聞こえたこと等(ポジティブなこともネガティブなことも)を、そのまま伝えること (現状を把握し、向き合うことの支援)


1on1では、定期的かつ頻度の高いコミュニケーションが取れるので、リモートワークでも一緒に働いている感が得やすくなりますし、一人一人の気持ちや考えに寄り添うことができるので、細やかに個別対応ができるというのが特徴です。

一般的な1対1の面談と1on1ミーティングの違いとは?

では、従来の1対1面談と、1on1は何が違うのでしょうか。
どちらも重要な面談ですが、目的が違いますので、ここで整理してみたいと思います。

一般的な面談1on1ミーティング
目的評価を伝える、戦略・戦術を共有する、問題を解決する信頼関係を深める、メンバーがありたい自分になれるよう支援する
「課題」の位置付け解決すべき「自分」メンバーがありたい姿に近づくための
「材料(手段)」
頻度半期に一度の評価面談や、緊急時などの必要なタイミングで行う定期的に行う(2週間に1度など)
話題重要かつ緊急なことについて話す重要だが、緊急ではないことについて話題にする
主体解決力の高い上司が主導的に考える、指示をするメンバーが感じた・考えたことを自由に話す、気づき、自ら行動プランを立てる

1on1を実施したメンバーから寄せられた喜びの声

このような1on1 ミーティングを実施された結果、メンバーからは以下のような喜びの声が届いています。

・長らく自分だけで悩んでいた課題を話せてすっきりした。
・毎月、自分のやったことを振り返れて、次の目標を決められて良い。
・気になる点やアイデアを気軽に相談できるので、早い共有が図れてよい
・自分のキャリアパスの相談をしたら、希望に沿った仕事を任せてくれた

1on1ミーティングは意味がないという部下(メンバー)の声

ですが、一方、 1on1 ミーティングは意味ないのではないかといった残念な声があるのも事実です。

・従来の面談と何が違うんですか?
・自分が興味持っていることを理解し、キャリアパスに反映してほしいのに、全然そうなってない。
・誘導尋問のようで、一体何を言わせたいのかと思う
・何を話せばいいかわからず、雑談になり意味があるのかわからない

質の高い1on1ミーティングとは?

ということは、質の高い1on1を実施しないと、必ずしも良い結果にはならないということです。
では、質の高い1on1を実践するためには、どのようなポイントを押さえると良いのでしょうか。

質の高い1on1を実践するためのポイント

・上司とメンバーが協力をして良い場を作り上げること(一座建立)
・1on1の目的がきちんと腹落ちするまで、オリエンテーションを丁寧に行う (メンバーに腹落ち感のない状態で始めると、不信感や不安感を招きかねず、1on1が機能しない。)
・心理的に安全な場づくりが最優先。場づくりができるまでは、関係性構築にとどまる
・メンバーが「この時間をどう使いたいか」、「どんなテーマについて話したいか」 など決める
・メンバーに、事前に話したいテーマを用意する習慣が身につくと、理想的 ・メンバーにテーマがない場合、上司からテーマの例を示してみても良い

1on1ミーティングのネタに困らない!テーマ例のご紹介

1on1ミーティングでは、メンバーが話したいことを話します。
したがって、基本的にテーマはメンバーが持ってきますが、彼らがテーマを思いつかなかった時などに見せられるよう、テーマ例をご紹介します。

かつて1on1ミーティングを非常に上手に活用された上司たちから聞いたテーマを整理して、多かったものを大きく2つに分けています。

1つ目は、まだ安心感ができていない、心理的安全性が不十分な状態で、最初に話し合えるテーマ

2つ目は、心を十分開いている方向けのテーマです。

① 心理的安全性が不十分なとき

・上司自身の、プライベートや入社した経緯、働く想いなど、人となりが分かるような自己開示
・上司側からの、失敗談や苦労話などについての自己開示
・メンバーを日頃観察していて、上司が感じた変化、成長や感謝について
・最近の心身の健康状態について
・日頃の業務や在宅勤務に関する不安や悩み、疑問などについて
・メンバーが聞きたい、上司の考え、経験、自分に対する見方などについて
・お互いの違いを認め合うことについて(コミュニケーションタイプ診断など)
・メンバーが聴いて欲しいと思っている、仕事以外の本音、個人的な悩み(健康、家族など)について

② 安心して本音が言える関係ができているとき

・現在の仕事に対するモチベーションの状態について
・過去の経験(学生時代も含め)や尊敬する人などについての話をきっかけにして、メンバー自身が大切にしたい価値観、幸せな働き方、動機づけられる働き方などについて ・現在担当している業務の、本人のキャリアや人生における意味や価値について
・メンバーが本当にやりたいこと、強みについて
・上司にサポートして欲しいことについて
・メンバーが知りたい、自身への現在の評価やそれを向上させる方法について、また上司がメンバーに期待していることについて
・うまくいかなかったことからの学びについて
・組織の方向性の中で、メンバー自身が得られる価値について
・うまくいかない人間関係や、難しい人にどう向き合いたいかについて
・積みたいキャリアや将来の方向性について


メンバーが、1 on 1 に主体的に取り組んでいたとしても、話したいテーマが見つからないこともあります。

そのような場合には、上司がテーマの例をレストランのメニューのように見せて、「この中で話してみたいものはある?」と選んでもらうのも効果的です。

ヒントなしで「今日はどんなことを話したい?」と訊かれると出てこなくても、ヒントがあれば「そういえば、ちょうどこれを話したかったです!」という反応が返ってくることはよくあります。

少しでもご参考になればと思います。

部下と協力して質の高い1on1を実施された上司の嬉しい感想

そして、協力して 1 on 1 の場を作り上げた結果、上司からやって良かったという声を聞いていますので、いくつかご紹介いたします。

上司から1on1をやって良かったという感想

・普段から話しかけやすくなったとメンバーに言われ、とても良かった
・メンバーはやることが多くパニックになっていたが、自ら頭の中を整理できるようになって、成長してくれた
・上司として一方的に話すのをやめたら、実は深い考えがメンバーにもあってとても感動した
・かつては受け身だったメンバーが自発的に動いてくれた
・離職率が大きく低下した

さいごに

1on1ミーティングは、単なる定期面談ではありません。
管理職が部下の話に耳を傾け、心理的安全性のある場をつくることで、部下の内発的動機づけが醸成されるきっかけにもなります。

「1on1ミーティングがうまくいかない」
「部下育成に手応えを感じられない」
もし、そのように感じている場合でも、最初から完璧な1on1を目指す必要はありません。

まずは、
・1on1の成果や部下の行動を急がずに話を聴く
・部下が今、どんなことを感じているのかに関心を向ける
そのようなあり方だけでも、1on1の質は大きく変わります。

質の高い1on1ミーティングを継続することは、
管理職自身のマネジメント力を高め、
部下育成やチームのパフォーマンス向上にもつながっていきます。

ぜひ次回の1on1から、できることを一つでも試してみてください。
小さな対話の積み重ねが、信頼と成長の循環を生み出していくはずです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
いつも、応援しています。


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