「どうすればいいと思う?」と訊くと、メンバー(部下)がフリーズするわけ
本田賢広です。いつもご覧いただき、ありがとうございます。
今回は「どうすればいいと思う?」と訊くと、メンバー(部下)がフリーズするわけ
と題し、お届けいたします。
メンバー(部下)がフリーズしがちな問いとは?
多くのマネジャーが、コーチングはメンバーに解決策を出させるのが目的だと思い、「どうすればいいと思う?」とアクションプランばかり問いがちです。
その結果、メンバーは大抵フリーズします。なぜでしょうか。
メンバーが相談した内容は、今この場で発生したものではなく、少し前に現場で発生したものです。
人はその瞬間に自問自答を始めます。
「どうしてうまくいかないんだろう?」「どうすればいいんだろう?」とメンバーは何百回と自問自答を繰り返している折、「どうすればいいと思う?」と訊かれると
(それが分からないから相談したんですけど…)
とも言えず無言になるのです。
では、どんな質問をすれば良いか。
「どうすればいい?」と解決策を訊くのではなく、「どうなったら嬉しい?」など理想的な結果(=ありたい姿)について訊くと、新たな自問自答のサイクルが回り始めます。
例えば車の運転で、行き先が不明確なのにハンドルを右に切るべきか左に切るべきか、
いくらアクション(解決策)を考えても答えは出ませんが、
「東京タワーに行きたい!」と明確かつ具体的に行き先(ありたい姿)が決まると自信を持って「このルートで行く、だからここは右」のように決まるのと同じです。
コーチングの目的は解決策を言わせることではなく、
ありたい姿に気づく支援をすること
上司がメンバーにコーチングする目的は、自律型人材の育成です。
自律型とは、上司がいなくても、自ら考え動き、その結果は自分ごととして受け止め学びにし、さらに前に進もうとする人材です。
だとすると最も大切なことは解決策を言わせることではなく、メンバーが「どうしてもそこに行きたい!」と心から望む、自らのありたい姿に気づくことです。
先の運転の例と同様、ありたい姿に気づければ自ずと、自ら動きたくなる解決策は見えてきます。
まず、メンバーが「何を答えてもいいのだ」とリラックスできる心理的安全性を醸成します。
その上で課題ではなくメンバー本人にフォーカスし、例えば以下のような質問をすると、自問自答する中で徐々に本人にありたい姿が見えてきます。
- 本当はいつどこで、誰とどんな風にそれが実現したらワクワクし、嬉しいか
- よくぶつかるその人と、本当はどんな関係を築きどんな言葉を交わしたいのか
それができる自分になれたら、人生においてどんな価値がありそうか - 理想的にはどんな自分でありたいか
どこでどんな人と仕事をし、どんな存在感を放っていたいか
それが実現するとどんな気持ちになりそうか
コーチングは「気づかせる、気づきを与えるもの」という言葉をよく耳にしますが、
もし私たちが上司から「気づかせよう」「気づきを与えてやろう」と接しられたらどうでしょう?
何か上から目線のように感じ、あまりいい気分はしないのではないでしょうか。
真のコーチングは、相手(メンバー)をリスペクトする横の関係と深い傾聴の中で、自問自答の質問をニュートラルに投げかけた結果、メンバーは話し、その声を自らの耳で聴くうちに「自分にとって価値のあること」に勝手に気づくものです。
理想の自分がはっきり見え、そして私たちがその実現を信じ力強く応援したとき、
人は自律的にチャレンジできるのではないでしょうか。
言うのは簡単、行うことは難しいですが、自転車に乗れるようになるのと同様、意識し続ければできるようになります。
ぜひ、ご一緒にチャレンジしてみませんか?
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
いつも応援しています!
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