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志に生きるエグゼクティブコーチのBLOG(本田賢広オフィシャルブログ)

お互いのソーシャルスタイルを尊重し、気持ちの良い職場環境を作る

2025.12.22(公開日:2025.10.23)
1on1ミーティング・コーチングBLOGリーダーシップ

「普通に話しているつもりなのに、“詰められている”ように受け取られ、メンバーが萎縮する。どうすればよいか?」

このように困惑される方がいらっしゃいます。
そのようなときは、「ソーシャルスタイル」の違いを意識するとすっきりクリアになる場合が少なくありません。

ソーシャルスタイルとは、アメリカの産業心理学者デビット・メリル氏が提唱したコミュニケーション理論で、多くの企業でグローバルに取り入れられています。

人のコミュニケーションの取り方を「感情表現」と「自己主張」の2軸で捉え、2×2で4つのスタイルに分類する考え方です(下表ご参照)。

感情表現は控え目で自己主張がストレートなタイプを「ドライビング」

感情表現豊かで自己主張がストレートなタイプを「エクスプレッシブ」、

感情表現豊かで自己主張は慎重なタイプを「エミアブル」

感情表現は控え目で自己主張も慎重なタイプを「アナリティカル」と言います。

アナリティカルドライビング
「質の高い仕事をするために、計画的に緻密・確実に進めたい」「高い成果を早く出すために、人や物事をコントロールしたい」
・キチっと質の高い仕事をして認められたい、プロセスが大事

・計画的に慎重、正確に自分のペースで進めたい

・客観的事実に基づいて、ロジカルに分析・判断したい

・完璧に責任を果たすため、責任範囲やリスクを限定したい
・高い成果を早く出したい、結果に向けストレートに行動したい

・人間関係より仕事・成果に意識が行きがち

・話すスピードが速く、白黒はっきりさせたい

・人や物事をコントロールしたい
エミアブルエクスプレッシブ
「共感と協調性で、安定した良い人間関係や場を作りたい」「楽しいこと、新しいことをして、周りも巻き込んで輝きたい」
・調和、協調性を大切にしたい、人が大事

・共感しながら聴きたいし、聴いてほしい

・繊細、慎重に行い、リスクのある決断をしたくない

・人を援助して、感謝されたい
・輝いている自分でありたい、ストレートに表現したい

・どんどんアイデアがひらめき、すぐ自由に行動したい

・社交的、話好き、情熱的でエネルギッシュ

・楽しいこと、新しいことが好き
各ソーシャルスタイルの特徴


「こちらは普通に話しているつもりなのに、“詰められている”ように受け取られ、
メンバーが萎縮する」とは、どのようなことが起きているのでしょうか。

例えば、「“詰められている”ように受け取った」メンバーがエミアブルで、「普通に話しているつもり」の上司がドライビングだったと仮定します。

すると、メンバーは調和、協調性を大切にしたく、共感しながら聴いて欲しいのに、上司は人間関係より成果に意識が行きがちで、話すスピードが速く、白黒はっきりさせるような話し方をしたとします(上表ご参照)。

すると、上司にとっては普通でも、メンバーは“詰められた”と感じ、萎縮するかもしれないのです。

もし、両者ともこのソーシャルスタイルを意識できていれば、上司は「メンバーはエミアブルタイプだから、柔和な顔で温かく、共感や感謝を大切に話してみよう」と意識することができ、

他方のメンバーも「上司はドライビングタイプだから、冷静、早口でストレートな物言いをしているけれど、彼にとっては詰めているわけではなく、普通に話しているんだな」と受け止めることができます。

つまりソーシャルスタイルは、相手を「こういうタイプだから」と決めつけるためのものでは決してなく、お互いの違いを認め、お互いが好ましいと思うコミュニケーションを、思いやりを持って行うことで信頼関係を深めるためのものです。

アメリカで車を運転するときは道路の右側を走るように、相手のスタイルをリスペクトして寄り添うのです。

ソーシャルスタイルを意識してコミュニケーションされた管理職の、メンバーの声


✔︎「上司から『自分の時代は』など、自分の尺度を押し付けられなくなり、ストレスが減った」

✔︎「以前と違って、経験がない自分に意見を求めてくれ、さらに親身に聞いてくれて嬉しかった」

✔︎「自分とは違う価値観を理解してくれようと目線を合わせてくれるので、上司と話しやすくなった」

✔︎「自分たちの認識と上司が感じていることのギャップがわかった。おかげで上司のことが理解できて良かった」

まさに、人間は感情の生き物ですね。
お互い気持ちのいいコミュニケーションができると、対話が増え、成果にも繋がりやすくなります。

ソーシャルスタイルは上司とメンバーの関係のみならず、営業、友人関係、子育てなど人間関係全般に活用できます。豊かな人生のお供として、意識してみてはいかがでしょうか。


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