【オンラインでも、信頼関係が深まる3つのエッセンス】
こんにちは、
本田賢広です。
今回は「オンラインでも、信頼関係が深まる3つのエッセンス」と題し、テレワーク下で低下しがちな関係の質を向上するには何が大切か、についてお届けいたします。
テレワーク下で、メンバーから上司に対するコミュニケーションの悩み
セミナーで
「テレワーク下で、上司とのコミュニケーションで、どんな悩みがありますか?」
と質問しますと、以下などの意見が多く聞かれます。
・ 自分の思いが伝わっているか分からない
・ 上司の状況が分からず連絡が取りにくい、返信が遅いとモヤモヤする
・ ちょっと相談したいことや確認したいことを気軽に言える場がない
・ メールだけで簡単に要件だけ言われたり、ダメ出しだけされたりするので、滅入る
・ 一人で抱え込んでしまい、独断の結果、メンタル不調になってしまった同僚がいる
HR総研「社内コミュニケーションに関するアンケート2021 結果報告」でも、
コロナ禍のコミュニケーション・ロスで発生している業務障害は、
迅速な情報共有(87%)、
部門間・事業所間の連携(78%)、
気軽な相談・質問(67%)、
精神的ストレスの軽減(61%)、
業務へのモチベーション維持向上(59%)
などの面に多く出ているとあり、どれも共感、納得するものばかりです。
しかし、上司の方の中には、ただでさえ厳しいビジネス環境、困難を乗り越えるには、
- ただでさえ厳しいビジネス環境、困難を乗り越えるには、こんな時こそ甘いことなど言わず
に、自ら強い精神力と高いモチベーションを持ってスピーディーに動いて欲しい - 信頼関係が大事なのは分かるが「心配なことある?」と訊いても「ない」と言うのだからないのだろう
- とにかく結果を出して欲しい
そのように言われる方もいて、そのお気持ちも痛いほど伝わります。
ところで、関係の質を高めるとは、
仲良しグループや馴れ合いのチームになる、という意味ではもちろんなく、
安心して率直に意見が言い合える関係性(心理的安全性)を構築するということです。
ブログ「どんな職場なら、安心して自分らしさや強みを発揮できるか」でも述べましたが、生産性の高いチームの土台にあったものは、「心理的安全性」でした。
どうすれば心理的安全性が醸成されるのか
特に、対面より難易度の高いオンライン・コミュニケーションにおいて、どうすれば心理的安全性ができるのでしょうか。次の3つのエッセンスを意識することが欠かせません。
① 関係の質→思考の質の「順番」が大切
② 潜在意識は、非言語に現れる
③ 人間は感情の生きもの
これらは対面のコミュニケーションでも大切ですが、オンラインではさらに重要性が増してきます。順に説明します。
関係の質→思考の質の順番が大切
マサチューセッツ工科大学ダニエルキム博士の提唱する「成功循環モデル」というものがあります。

博士は、「全て」の組織はこのサイクルを回ると言っています。では、うまくいっている組織とうまくいっていない組織は何が違うのでしょうか。
それは、サイクルのスタート地点が違うと言われています。
バッドサイクルの組織のスタート地点
バッドサイクルの組織は「結果の質」がスタートになっています。

結果の質がスタートとはどういう意味か。結果が出れば賞賛し、結果が出なければ否定する・バカにするという組織です。
これでは結果を出しているメンバーでも、結果を出していないメンバーが横で否定されていると、「明日は我が身かな」とちょっと落ち着かない。
そしてもし「結果」が出ないと、否定されます。
そうするとネガティブな感情を上司に持つ。つまり、「関係」にヒビが入ります。
するとどんなことを考え出すか。
「どうしたら怒られないんだろう?」
「どうしたら上司とのコミュニケーションを減らせるだろう」
のように、結果とは関係ないことを「思考」します。
それに基づいた「行動」は
「とりあえず怒られないようにやっておこう」
「上司とのコミュニケーションが少なくなるようにしよう」
となって、「結果」には結び付きづらい。
結果が出ないとまた「関係」悪化→さらに「思考」がネガティブに→「行動」はもっと消極化、とバッドサイクルが回っていきます。
グッドサイクルの組織のスタート地点
一方で、グッドサイクルの組織のスタート地点、それは「関係の質」と言われています。

関係の質がスタートとはどういう意味か。友達関係とか“なあなあ”という意味ではありません。甘やかすとか腫れ物に触る、というのも違います。
「関係」の質がいいとは、結果が出ても出なくても決して人格は否定されない。未熟なアイデアや質問をしても、決してバカにされることはない。つまり、心理的安全性が担保されている状態です。
決して否定されることがなければ、伸び伸び「思考」するようになります。
「もっとこんな風にできれば、お客様は喜んでくださるのでは?」
「もっとこうした方が効率いいのでは?」と。
自分で考えたことは自分でやってみたい。したがって、主体的積極的に「行動」し、その量も多くなる。
そうなると「結果」は出やすい。
結果が出ると、
「おー、君がいると助かるなー!」
と「関係」がまた良くなって、楽しみややり甲斐が湧く。
すると、さらに積極的な「思考」、活発な「行動」が起き、もっと「結果」が出やすくなる。 このように、グッドサイクルが回っていきます。
つまり、関係の質、思考の質の順番が大切です。
関係の質は、言い換えますと、「感情の質」とも言えます。
もちろん感情的になるのは良くありませんので、ネガティブな感情ではなく、ポジティブな感情やニュートラルな感想を率直に交換できることが肝要です。
具体的にどのようにメンバーへ接したら良いのか
例えば、
「この提案書、ワクワクしたよ」
「ところで、もう少しこんな考え方もあると思うんだ」
「話を聞いて、あなたの力量からするとちょっと寂しい感じがしたな」
など、率直な感情(感想)を伝えた上で、意見を交換する。
つまり、感情→思考の順番で接することで、グッドサイクルが回っていきます
潜在意識は非言語に表れる
例えば、メンバーが「がんばります」という言葉を、うつむき加減、うつろな目で弱々しく発したらどう感じるでしょうか。私たちは、「本心は違うのではないか」「頑張らないのではないか」と感じます。
アメリカの心理学者、アルバート・メラビアンは、「視覚・聴覚・言語」が示す情報が矛盾する状況で表現された場合、受け手はどの情報を優先して受け止め、話者の感情や本心を判断するのかということについて、実験を行いました。
各情報が矛盾する状況で人が重視するのは、資格情報55%、聴覚情報38%、そして言語情報7%という結果でした。
つまり、私たちは「何を言ったか」より、「見た目」や「話し方」をより信用することが分かります。

言葉以外の部分を「非言語」といいます。
私たちは、「人の本心は非言語に表れる」と本能的に知っているのですね。ですが、だからと言って、見た目や話し方を表面的に調整しましょうと言われても、特に余裕のない場面では難しい。したがって、「何を言えば相手をコントロールできるか」と画策するのではなく、できるだけ「良いメンタルの状態で」「真心から」「本心で」話す機会を増やすことが大切ではないでしょうか。
オンラインコミュニケーションで意識したいこと
◆できればカメラはオン、お互いに顔を見せて、お互いの調子や感情に関心を寄せる
・違和感のないカメラの角度で
・自然な目線で
・顔全体が見えるように
・表情、ポジティブな雰囲気で
・オープンな姿勢で
◆聞きやすい声のトーン、大きさ、スピードで話す
・声の抑揚、緩急は対面時の2割増しを意識
ただ、これらを上司だけが頑張る、あるいはメンバーに強要するのではうまくいきません。
お互いに協力して、良質なオンライン・コミュニケーションを実現していきましょう。
人間は感情の生き物
ザイアンス熟知性の法則というものがあります。
<ザイアンス熟知性の法則>
1.人間は知らない人には攻撃的で冷淡な対応をする。
2.人間は会えば会うほどその人に好意を持つようになる。
3.人間は相手の人間的側面を知ると、より強く好意を持つようになる
つまり、「回数」と「人間的側面」を共有することによって、メンバーは上司がいつも「仲間」として気にかけてくれている、大切にしてくれているんだということが伝わります。
「人間的側面」関わりのアイデア
- タスクの進捗だけに関心を寄せることなく、感謝や思いやりを表現し、信頼を伝える
- お互いにどう相手をサポートしたいかを伝える
- チームメンバーの成功や満足度に関心や気遣いを示す
- あなたの意見が聞きたいです、と上司から言う
- 不安なことや分からないことは遠慮せず言葉に出してと伝える
- 結果だけでなくプロセスも聴く。失敗が結論でなく、「学び」という収穫が得られたなど、肯定面を認める
- 相手が話し終わるまでゆったり待ち、相手を応援するように傾聴する
- リーダー側から自己開示をしたり、ミッション・ビジョンを自分の言葉で語ったりする
さいごに
今回の話をまとめると、「相手は人間なので、機械論パラダイムではなく『生命論パラダイム』で接することが大切だ」ということになります。
【オンラインでも、信頼関係が深まる3つのエッセンス】を実践し、チームで共有できることで、一人ひとりがイキイキ輝き、素晴らしい職場が実現し、グッドサイクルが回ることで我々の想像を超えた結果にも結びついていくことでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
いつも、応援しています。
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