どんな職場なら、安心して自分らしさや強みを発揮できるのか|心理的安全性の本質
テレワーク時代に「心理的安全性」が求められる理由
昨今では言葉が浸透している「心理的安全性」ですが、皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。
コロナ禍以降、テレワークを導入されている組織は多くありますが、管理職の方からチームメンバーとの信頼関係構築が難しいといったお話をよく耳にします。
実際に、テレワーク下のコミュニケーションに関して、以下のようなアンケート調査結果があります。
・非対面のやりとりは、相手の気持ちがわかりにくく不安 37.4%
・上司や同僚から仕事をさぼっていると思われていないか不安 28.4%
・出社する同僚の業務負担が増えていないか不安 26.4%
・相談しにくいと思われていないか不安 23.2%
・上司から公平・公正に評価してもらえるか不安 22.6%
・出社・出勤する同僚が不公平感を感じていないか不安 22.6%
(新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査パーソル総合研究所2020年4月より抜粋)
不安の正体は「コミュニケーション不足」と「本音の見えにくさ」
これらのことから、どんなことが読み取れるでしょうか。
私には、一言で言えば「不十分なコミュニケーションで、相手の本音が分かりにくく不安」ということのように思えます。
つまり、お互いの本心が交換できるコミュニケーションができれば、多くのことは解決に向かうのではないでしょうか。
心理的安全性とは何か?Googleの研究が示す定義
ところで、2012年にGoogleが「生産性が高いチームの共通点は何か」を調査したプロジェクトアリストテレスで、5つの特徴があることを発見しました。
その第1の条件が「心理的安全性(Psychological Safety)」です。
心理的安全性とは、
「他者からの反応に怯えたり、羞恥心を感じたりすることなく、自然体の自分をさらけ出せる環境。
組織全体の目的や成果に向けて、いつでも、誰もが率直に意見を言い合い、質問をしても安全だ、違和感を伝えても人間関係の悪化を招くことがないと、安心感が共有されている状態」のことです。
つまり、まさにお互いの本心を交換できるコミュニケーションができている状態です。
生産性の高いチームに共通する5つの条件とは
プロジェクトアリストテレスの調査結果「生産性が高いチームの共通点」5つの特徴は以下の通りです。
第1条件:「心理的安全性(Psychological Safety)」
他社からの反応に怯えたり、羞恥心を感じたりすることなく、自然体の自分をさらけ出せる環境
第2条件:「信頼性 (Dependability)」
メンバー一人一人が責任感や自覚を持って業務に取り組んでいて、お互いに信じ合える状態
第3条件:「構造と明瞭さ (Structure &Clarity)」
モチベーションの維持できる具体的な目標、そのために必要なプロセス、お互いの役割分担の明確さ
第4条件:「仕事の意味 (Meaning of work)」
メンバー全員、この仕事がただの作業ではなく、自分にとって意味があると感じていること。自分は何のためにこの仕事をやるということを一人一人明確にわかっていること
第5条件:「仕事のインパクト (Impact of work)」
自分の仕事には意義があって、会社や世の中に良い変化を生むものだ、インパクトを与えているということが実感できること
5つの条件のスタート地点とは?
これらが揃っていれば、生産性が高くなるであろうことは、共感いただけることと思います。
その中でも、スタート地点はやはり心理的安全性です。
決して馬鹿にされることはない、否定されることはない。このような土壌がチームにあれば、自由な発想や様々なイノベーションが生まれやすくなります。
ですが、相手の反応を気にする必要がない、不安にならないというのは、無責任に何でも言うことが許される、という意味ではもちろんありません。当事者として積極的にアイデアを出すとか、気軽に質問ができる、あるいは間違った時には自らの過ちを素直に認めることができる。このようなことが非常にスムーズにできる状態です。
あなたが「安心していられた場」はどんな場所だったか
これまでの人生を振り返ったとき、皆さんはいつ、「心理的安全性が高い」と感じたでしょうか。
このコミュニティにいる時には安心して自分らしくいられ、この人の前では伸び伸び成長できると感じた、そう思えたのはどんな場面だったでしょうか。
私の場合は、小学校時代、親友と遊んだ時や、現在では職場や家庭が、心理的安全性が高いと感じます。
リーダーが積極的に心理的安全性を醸成していくためのマインドセット
テレワーク下において心理的安全性を作るのは、容易ではありません。したがって、リーダーから意図的に働きかけ、創っていく姿勢が欠かせません。
では、具体的に何をすればいいか。
これまでの人生で安心してのびのびできた経験をよく思い出し、その時はどうしてうまくいったのか、どんな条件が揃っていたのか、どんなマインドであったのか、自問自答してみると、ヒントはたくさん見つかります。 最後に、心理的安全性を醸成するのに効果的な、リーダーのマインドセットをまとめましたので、ご紹介します。
- 頻繁に会えないときこそ、関係の質を大切にする
- 「単なる仲良しチームではなく、安心して率直に意見が言える関係性の構築」をチームの目標にし、メンバーで共有する
- メンバーを管理するのではなく、気持ちよく仕事に集中してもらえる環境を作る
- リーダー自身も不安になったり間違えたりすることを認める
- 臆さず率直な意見を(反対意見も)言える雰囲気作りをする(その勇気を賞賛するなど)
- メンバーの不安や不満を早期に取り除くべく、定期的に深く聴く
- メンバーと一緒に、危機を乗り越えていく
「お互いを尊重する」ことが、心理的安全性を高める第一歩となる
「お互いを尊重する」という価値観を、まずリーダー自ら体現することが、心理的安全性ができる第一歩です。共に素敵な職場を作っていきましょう。
いつも応援しています。
本田賢広
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